ひと風呂浴びて妄想族

 一人きりで人生の迷路に迷い込み、立ち尽くしている時、心の中の空模様は土砂降りである。雲間に空さえ見えず、濡れるに任せることもあるだろう。そんな時、誰かの手でスッと傘が差し出されることがある。見覚えのあるその傘は、きっと昔、誰かに差し出したはずの自分自身の傘である。老いてなお、時間の流れの中でふと気づくあれやこれや、ありがたいと思うこともある。 そでふれあうも タシ…

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新生オレの出発

およそ2か月間の、妻との同棲生活を終えた。 妻のリハビリが完了し、少しずつ社会復帰をすると言う。 再び2拠点生活が始まった。 ちょっと寂しいよと言うと、おバカさんねと妻が笑う。 やっぱり大好きなんだよと言うと、なに言ってんのと妻が笑う。 そういう他人が見たら、くだらないような瞬間も、いとおしい。 現役時代に単身赴任は断った。 余生の時代に入り、風変わりな、エラそうにしな…

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漠然と崩壊する中で

昔は、という言い方になるが、自分が若かった頃、息苦しかった。 たくさんの違和感を抱えながら、大阪の高校時代に爆発して、逃げた。 高校を中退し、大阪を脱出し、家を飛び出した。 その禍根は引きずり続けているが、最近、違った意味で息苦しい。 自分を取り巻く社会が歪みを見せ始め、隠していたものが露見し始めている。 民族と宗教と、小競り合いが加速し、民主主義国家は分断が始まっている。 …

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